服屋でスーピマコットンとかUSAコットンとか見るけど意味がわからないです。
お客様のよくある声です。知っていると素材の価値や特徴が一目でわかる『説明書』のような言葉です。
服屋に行くと聞きなれない言葉が普通に使われているのは意味が分からないですよね。
しかし、ちょっとした言葉さえ覚えれば買物が楽しくなります。
『スーピマコットン』とか『USAコットン』とかいう表記はそれだけで素材感、生地感を教えてくれています。
この商品は『やわらくて上品な着こなしができるコットンなんだな』とか『ぶ厚目の生地でカジュアルライクに着れるコットンなんだな』という風に商品名に説明書がついているようなものです。
商品の表面が分かりにくいネットでの買い物にも役立ちます。
検索もしやすくなります。
こんな知って得する情報をアパレル経験10年以上の『ヒトトキ』が解説します。
素材の選びの始め方
- 素材選びはファッションに必須のテクニック。
- 素材選びは『質感』『艶感』『メリット』と『デメリット』で複合的に決まる。
- 素材の種類と形を知る。
- 素材選びは自分の系統で決める。
- 自分にあったイメージを育てる。
- 素材選びの着こなしとイメージを育てる。
インターネットの普及と商品の差別化の為もあり商品名に生地・素材名が組み込まれているものをよく見かけます。
かの有名なユニクロさんの商品名には『スーピマコットンTシャツ』や『USAコットンTシャツ』等のようにほぼ全ての商品に付加価値となる言葉がつけられています。
敢えて商品名に入れることで『服の価値』を打ち出しています。
『ドライは乾きやすい素材なんだな。』や『メッシュは風通しがいいんだな。』などの馴染みのある言葉はわかりますが、基礎知識をつけて『ん…これなんだろう』を回避しましょう。
ポイント
- 商品名が『説明書』の役割になる
- 季節にあった素材選びができる
- 自分にあった系統の服選びができる
では、自分はどんな素材の服を選べばよいの?こんな声が聞こえてきます。
しかし、難しく考えることはありません。
自分に合ったものを選ぶことが『どことなくお洒落』の決めてです。
自分の系統、スタイル、季節にあった素材を選びましょう。
ポイント
- 自分にあった素材を選んでいるか
- 季節にあった素材を選んでいるか
注意点はこの2点です。
ただ、デザインが気に入っただけでは自分に合う服選びはできません。
重要なのは自分に合った系統、素材を選べているかです。
自分に合った選び方って…系統って何?自分はどの系統を選べばいいの?
まずは自分の系統を決めましょう。この記事がおすすめです☟
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素材選びのイメージ
- サーフラグジュアリーはカジュアルだけどリラックス感のある男らしいイメージ。
- モード&トラッドは独特な雰囲気のある中性的でキレイなイメージ。
- アメカジクラシックはカジュアルだけど上品な大人っぽいイメージ。
- キレイ目カジュアルはスマートで爽やかな大人のイメージ。
【メンズファッション】知ってると役立つ素材選びの基礎知識
生地は繊維を『織る』、『編む』という加工をして出来上がります。
繊維の材質を知ることで着心地や適切な季節の選択ができるようになります。
まずは素材となる繊維は3つあります。
天然だから良い、化学繊維だから悪いということではなく、それぞれメリットとデメリットがあるので自分に合った正しい選択をしましょう。
現に化学繊維である『ポリエステル』や『ポリウレタン』はファッションにおいて『形状補正』や『伸縮と言った着心地』の革命的な発展を引き起こしたとされています。
ポイント
- 『植物繊維』⇒植物を原料として細くより合わせた天然繊維
- 『動物繊維』⇒動物の毛を原料として細くより合わせた天然繊維
- 『化学繊維』⇒石油等を原料とした化学的手段を用いられて作られた人造繊維
【メンズファッション】吸湿性が高く丈夫なオールシーズンの『コットン』=木綿
Tシャツやシャツ、ボトムスからパンツ等の下着まで使われる一番オーソドックスな、なめらかで柔らかい天然繊維。
オーガニックコットンとは無農薬、有機栽培で栽培された地球環境にやさしいコットン。
一般的なコットンより目が粗くざらつきがある。
まずはメリットとデメリットを解説。
メリット
- 吸湿性があり、比較的涼しい
- 強度があり丈夫
- なめらかな肌触り
- 静電気が起きにくい
- 染め易い
- 熱に強い
デメリット
- 縮み易い
- しわになり易い
- 毛羽立ち易い
ではコットンの種類とは何か?
基本的には産地の特徴から種類分けされる特徴的な綿を指します。
より長い繊維の方が上質で高級感のある素材になります。
一般的な綿はそのままの名称で『コットン』と呼びます。
サーフ ラグジュアリー | モード& トラッド | アメカジ クラシック | キレイ目 カジュアル | |
USAコットン | 〇 | 〇 | 〇 | × |
インド綿 | × | × | 〇 | × |
スーピマコットン | 〇 | 〇 | × | 〇 |
コットン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
【メンズファッション】がっしり丈夫が決め手『USAコットン』
『アメリカ綿』とも『cotton USA』とも呼ばれる長繊維綿。
アメリカの広大な土地で作られた強度のある丈夫な綿。
編み目の詰まった、がっしりとした生地に使われる。
格好良いスタイルから無骨で男らしいスタイルまでカジュアルな男らしさをプラスオンしたい人が選ぶ。
【メンズファッション】湿気に強い風通しの良い『インド綿』
インドで作られた綿。
湿気に強く風通しの良い夏に最適な綿。
柔らかくふわっとしたナチュラルな生地に使われる。
リラックス感のある涼し気でナチュラルな格好をしたい人が選ぶ。
【メンズファッション】なめらかで高級感のある『エジプト綿』
『ギザ綿』とも呼ばれる超長繊維綿。
生産量の少ない高級綿。
なめらかで上品な生地に使われる。
キレイ目で上品な高級感のある格好がしたい人が選ぶ。
【メンズファッション】柔らかくしなやかな『スーピマコットン』
アメリカのアリゾナ州やカリフォルニア州で栽培された超長繊維綿。
しなやかでなめらかな滑りの良いつるっとした生地に使われる上質なコットン。
リラックス感のある爽やかでカジュアルなスタイルから上品でキレイ目なスタイルまで艶感のあるキレイ目を求める人が選ぶ。
【メンズファッション】吸湿放熱に優れた涼しい夏素材『リネン』=麻
シャツで使われることが一般的で、ボトムスやジャケットなどにも使われる風通しの良い天然繊維。
トップスでは『リネン』が麻の代表選手ではあるがそのほかにも『ラミー』『ラフィア』『ヘンプ』『ジュート』等も麻素材である。
まずはメリットとデメリットを解説。
メリット
- 吸湿性、放熱性に優れている
- 凹凸のある素材が肌離れに優れている
- 速乾性に優れている
デメリット
- コットンよりしわになり易い
- コットンより毛羽立ち易い
- 水にぬれると縮み易い
- 商品によってはちくちくするので注意が必要
【メンズファッション】夏の定番、品質の良い『フレンチリネン』
フランス産の品質の良いリネン。
数年前はフレンチリネンは高級感があり付加価値が高いとされて値段も高かったが、今やリネンシャツのほとんどはフレンチリネンを使われているものが多く手軽なものになった。
定番化したがフレンチリネンの品質が高いのは変わらず、安くて品質の良い素材。
リラックス感のある爽やかでカジュアルなスタイルから上品でキレイ目なスタイルまで夏らしい素材感を求める人が選ぶ。
【メンズファッション】最高品質の『アイリッシュリネン』
ヨーロッパ北部で栽培されたリネン。
アイルランド製の物が特に高品質といわれるがメンズのカジュアルファッションにおいてあまり知られていない。
【メンズファッション】防寒性と保温性の高い冬素材『ウール』=毛
ニットで使われることが一般的で、ボトムスやジャケットなどにも使われる防寒性と保温性に優れた天然繊維。
『ウール』とは『羊毛』のことを指すが、その他の『獣毛』全て含めて『ウール』と呼ばれることもある。
品質表示に表す表記として厳密にいえば『ウール』は羊毛、『毛』は羊毛を含めた、全ての『獣毛』を指す。
まずはメリットとデメリットを解説。
メリット
- 断熱性が高く通気性は高いが防寒性に優れている
- 油分を含むため撥水性が高く濡れても保温性を維持できる
- 肌触りが柔らかい
- しわになりにくい
デメリット
- 洗うと縮み易い
- 摩擦やアイロン等熱に弱くテカる
- 虫の害を受けやすい
- 通気性が良い反面、防風性が弱くアウターで防風効果を高めウールで保温性を高める
- 商品によってはちくちくするので注意が必要
冬の素材としての認識が高い『ウール』ではあるが、一部高級な夏服に『ウール』が含まれていることがある。
夏に保温性!という用途ではなく、化学繊維が発達する前にはよく使われていた『ウール』は『保温性が高い』とは真逆の『保冷性が高い』素材でもある。
羊が寒い時期も暑い時期も『もこもこ』のスタイルである理由は『保温性』と『保冷性』が高く『体温調節ができる』ということである。
菌の増殖を抑える天然の機能として汗の臭いを軽減してくれるメリットも備わっている。
しかし、夏に『ニット』を着るのは季節感がない上に暑いので絶対にしてはいけません。
あくまでも生地に『ウールが含まれている』程度のことです。
【メンズファッション】細長くしなやかな『メリノウール』
羊毛の中でも細長くてしなやかで高品質なウール。
メンズファッション業界においても『メリノウール』を目にする機会が多くなってきました。
敢えて表記する程付加価値の高い素材です。
オーストラリア産のメリノウールがアパレルとして使われることが多い。
ニュージーランド、フランスメリノと比べて白さが際立ち繊維が長く衣類に最適。
上品でキレイ目な高級感のある格好をしたい人が選ぶ。
【メンズファッション】滑らかで高級な『カシミヤ』
ヒマラヤ原産の『カシミヤヤギ』という品種の獣毛。
軽くて手触りが滑らかなキレイに整った風合いの高級素材。
格好良いスタイルから上品でキレイ目のスタイルまで高級感のある恰好をしたい人が選ぶ。
【メンズファッション】耐久性が高く丈夫な『アルパカ』
首の長い動物『アルパカ』の獣毛。
ウール同様保温性、防寒性に優れている。
ウールやカシミヤと比較されることが多いがその特徴はウールやカシミヤに比べて丈夫で強い。
肌触りはカシミヤには劣るが滑らかで滑りが良く光沢感のある素材。
格好良いスタイルから上品でキレイ目のスタイルまで滑らかで柔らかいキレイ目な格好の人が選ぶ。
【メンズファッション】ふわふわとした毛先が特徴の『アンゴラ』
『アンゴラヤギ』という品種の山羊と『アンゴラウサギ』という品種のウサギの獣毛。
『アンゴラヤギ』の獣毛を『モヘア』とも言う。
ふわふわとした表面がナチュラルな風合いを印象付ける吸湿、保温性に優れた高級素材。
格好良いスタイルから上品でキレイ目のスタイルまで素材表面の動きをつける柔らかい格好をした人が選ぶ。
【メンズファッション】撥水性、耐久性が高く艶やかな『ナイロン』
石油を原料として作られた撥水性、耐久性が高い化学繊維。
アウターや雨具などに使われることが多い。
まずはメリットとデメリットを解説。
メリット
- 耐久性が高い
- 弾力性が高い
- 撥水性が強い
デメリット
- 吸湿性が低い
- 熱に弱い
- 通気性が悪い
引っ張っても破れにくく、表面がつるっとしているので傷がつきにくい。
引っ張ると元に戻ろうとするので形状維持には強いが熱に弱いので摩擦や火に注意が必要。
雨具等に使われることが多く撥水性はあるが蒸れやすいのが特徴。
格好良い男らしいスタイルから上品でキレイ目のスタイルまでファッションにスポーティをMIXしたい人が選ぶ。
【メンズファッション】伸び縮みに強く形状維持の機能素材『ポリエステル』
伸び縮みに強く形状維持の機能に優れた化学繊維。
他の素材と違いポリエステル100%という素材は少なく綿や麻等に合わせて混紡される要素が強い。
まずはメリットとデメリットを解説。
メリット
- 耐久性が高い
- 伸び縮みに強く形状記憶性が高い
- 摩擦に強い
- 軽量
- 速乾性が高い
- 洗濯、乾燥機が使える
デメリット
- 通気性が悪い
- 火に弱い
軽量で速乾性が高く形状記憶性が高いのでメンズファッションの様々な生地に混紡されている。
手入れもしやすくフォーマルからカジュアルまで重宝される。
格好良い男らしいスタイルから上品でキレイ目のスタイルまで艶感のある機能性の高い服が欲しい人が選ぶ。
【メンズファッション】伸縮性が高く動きやすいストレッチ素材『ポリウレタン』
伸縮性が高く動きやすい化学繊維。
俗にいうストレッチ素材。
伸縮性を高める為に生地に混紡されることが多い。
PUやフェイクレザー、合成皮革とも呼ばれるものもポリウレタンのことレザーに似せた風合いを作るが化学繊維なので天然のレザーより安く作られることが出来る。
まずはメリットとデメリットを解説。
メリット
- 伸縮性が高い
- 弾性が高い
- 耐久性が高い
- 耐薬品性が高い
デメリット
- 耐熱性に弱い
- 高温多湿で劣化が早い
- 微生物等の影響で徐々に劣化する
ストレッチ素材という混紡で使われることで全ての衣類において細身で着ることが出来る最大のメリットをもたらした。
ポリウレタンが100%に近い製品に関しては劣化の危険が高く何年かしたら表面が剥がれることが多々あるので注意が必要。
格好良い男らしいスタイルから上品でキレイ目のスタイルまで動き易くスマートでスタイリッシュに見せたい人が選ぶ。
【メンズファッション】保温性があり柔らかい機能素材『アクリル』
空気を含むことが出来る保温性が高く柔らかい化学繊維。
『天然素材』である『ウール』に近い性質を持たせた素材。
まずはメリットとデメリットを解説。
メリット
- ウールと比べて安い
- 保温性が高く耐久性も強い
- 虫の害を受けない
- 吸水、吸湿性が低く乾きやすい
デメリット
- ウールに比べて保温性は劣る
- 吸水、吸湿性が低いのでべた付く
- 毛玉ができやすい
- 静電気が起こり易い
格好良いスタイルから上品でキレイ目のスタイルまでウールに似た風合いの手軽で使い易い服を求めている人が選ぶ。
まとめ:アイテム選びは自分に馴染む物を選ぶ
と、いうわけでまとめると
まとめ
- 素材選びはファッションに必須のテクニック。
- 素材選びは『質感』『艶感』『メリット』と『デメリット』で複合的に決まる。
- 素材の種類と形を知る。
- 素材選びは自分の系統で決める。
- 自分にあったイメージを育てる。
- 素材選びの着こなしとイメージを育てる。
品質タグを見て買い物をする男性は少ないのではないでしょうか?
素材から生地が作られるので品質タグに注目することで生地の特徴がわかります。
品質タグにある『〇〇%』がこれらの繊維の混紡率であり、合計で100%になるように表記されています。
ポイント
- コットンの混率が多いと吸湿性が高く丈夫
- リネンの混率が多いと速乾性が高く涼しい
- ウールの混率が多いと保温性が高く柔らかい
- ナイロンの混率が多いと撥水性が高く丈夫
- ポリエステルの混率が多いと速乾性が高く型崩れがしにくい
- ポリウレタンの混率が多いと弾性が高く楽
- アクリルの混率が多いと耐久性が高く暖かい
繊維から生地になるのですが大まかな特徴としてはこの6点を覚えていればいいですね。
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