無骨で格好良い男性の定番アイテムとして広く知られるカーゴパンツ。
近年ではトレンドの変化もあり、注目されていますね。
しかし、カーゴパンツは近年のトレンドアイテムというわけではなく、流行り廃りに影響されにくいミリタリースタイルの定番アイテムです。
ポイント
反面、『カーゴパンツってダサいよね…』という声が多く、特に女性からの印象が悪いアイテムでもあります。
しかし、間違ってはいけないのは、カーゴパンツはファッションアイテムとして優秀なおしゃれなボトムスです。
ファッション中上級者であれば、おしゃれに着こなす事が出来ます。
反対に、ファッション初級者は手を出さない方が良いアイテムでもあります。
しかし、『おしゃれにあまり自信がないけどカーゴパンツに挑戦してみたい…』という人もいますよね。
そんな人は、是非トップスを少しキレイ目なシャツに革靴で合わせる等キ、レイ目に重きを置いたスタイルを試して下さい。
キレイ目重視なスタイルを、カジュアルな印象の強いカーゴパンツで外すイメージで着こなすと、それなりにおしゃれに見せる事ができます。
ミリタリーMIXのおしゃれなワークやアメカジスタイルの人向けの選び方をアパレル経験10年以上の『ヒトトキ』が解説します。
この記事を読むことで『カーゴパンツの選び方』のイメージを論理的に育てることが出来ます。
記事の信憑性
記事を書いている私はアパレル歴10年以上実務40,000時間以上経験しています。
販売員・店長・仕入にも携わってきました。
自分自身も昔はファッションがよくわからず何がお洒落なのか…という悩みも多い『ただ服が好きというだけの普通の人』でした。
しかし、たくさんのお客様と接しコーディネートもさせていただく中で知識と経験を確立する事ができました。
色々な服を着て見て触って体感した中で『ファッションの根本には言葉で説明できる法則性はある』と実感しています。
そんな『ヒトトキ』が『おしゃれなカーゴパンツ』の選び方を紹介させていただきます。
ヒトトキという人と服
ダサい…おしゃれ…は誰が決めるのか 大前提として言える事は、ファッションとは『他人からの評価』に依存 ...
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最初に知っておくべきカーゴパンツスタイルは誰にでも似合うわけではないという事実
世の中にダサいと言われるカーゴパンツは、ミリタリーやワークスタイルではないのに、一般の人が格好良さを求めて選ぶカーゴパンツです。
チャラいメンズやオラオラ系のメンズに、カジュアルな子供っぽい服装を好むメンズがカーゴパンツを選ぶと失敗するケースが多くなります。
つまり、カーゴパンツのファッションにおける立ち位置を理解した上で、自分のスタイルに合わせて着こなすのが大事という事ですね。
カーゴパンツの歴史
カーゴパンツのカーゴとは貨物船=cargo ship(カーゴシップ)に由来しています。
ミリタリーと思われがちですが、起源は貨物船や港で働く作業員の為に生まれた作業服です。
作業道具を持ち運びやすいように大きなポケットが特徴になっています。
1940年代に軍用のパンツとして採用されました。
時代と共にファッションアイテムとして使われるようになったのですが、ワークというよりも軍用のパンツという印象が定着しています。
今や、ファッションアイテムとしてとらえられている『実務で使われていたユニフォーム』は、歴史や由来を知る事で着こなしに活かす必要があります。
単に、格好良さを求めてカーゴパンツを選ぶと、失敗するのがファッション初級者の特徴です。
元々、軍用の制服として使われていた服であるからこそ、カジュアルな印象が強いアイテムになります。
要するに、カジュアルすぎるスタイルは子供っぽく見えるので、キレイ目スタイルに重きを置く事が必要になるという事ですね。
カーゴパンツがダサいと思われるのはカジュアルすぎる着こなし
カーゴパンツに、Tシャツやネルシャツを合わせるスタイルは『アメカジの鉄板スタイル』です。
しかし、そのイメージがカーゴパンツを履くとダサいと思われる要因にもなっています。
ポイント
一言でアメカジと言っても、服に『こだわりのある人が着こなすアメカジ』と『格好良さに注目して真似をするアメカジ』があります。
本来、アメカジとはアメリカンカジュアルの略称で『アメリカ人がするようなラフでカジュアルなスタイル』を指します。
その根底には、アメリカの学生やスポーツにミリタリーやワーク等をミックスしたラフな着こなし方があります。
そのアメリカ人のラフな着こなしを真似した日本人によって生み出されたのがアメカジというわけです。
要は、アメカジにはアメリカの服の歴史に関するこだわりやディティールを理解した上で着こなす事で、おしゃれなスタイルが完成します。
多くの人が捉えるアメカジは、単に格好だけを真似したものであるが故に、失敗する可能性が高くなります。
本来、アメリカ人がするカジュアルスタイルは、アメリカ人の屈強で足長の恵まれた体格と彫りの深い顔によって格好良く見える側面があります。
しかし、童顔で短足な体格の人が多い日本人が真似をしても、カジュアルすぎる野暮ったい格好になってしまう可能性が高いという事実は理解する必要があります。
大人っぽく着こなす為の基本はキレイ目要素を意識する
では、『日本人にカーゴパンツを着こなす事が出来ないのか…』と思う人はいるのではないでしょうか。
それは、着こなし次第で解決できます。
童顔で背の低い短足体型の人が多い日本人には、カジュアルすぎるスタイルは子供っぽく見えるのでおしゃれに見せるのは難しいのです。
故に、キレイ目着こなしに注力し、外しのアイテムとしてカーゴパンツを着こなすとおしゃれに見せる事が出来ます。
つまり、トップスにはシャツやニットにジャケットやコート、足元は革靴やクラシックなレトロスニーカーを合わせるとおしゃれですね。
カーゴパンツに、ネルシャツとプリントTシャツなどを合わせる着こなしは、元々のイケメンかファッション上級者にしか着こなせないという事は覚えておいた方が良いですね。
シルエットで選ぶ
ポイント
- 『レギュラーストレート』⇒太ももから裾まで同じ普通の太さの一般的なシルエット。
- 『タイトストレート』⇒太ももから裾まで同じ細い太さの細すぎずスマートなシルエット。
- 『テーパード』⇒太ももから裾にかけて細くなっているリラックス感がありスマートなシルエット。
- 『スキニー』⇒足の形に添ってピタッと細いシルエット。
- 『ワイド』⇒太ももが太く裾まで太いゆったりリラックスシルエット。
カーゴパンツと言えば、少し緩めのシルエットが基本スタンスです。
中には細めのカーゴパンツもありますが、ミリタリーMIXのアメカジスタイルには少し緩めのシルエットが合わせやすいですね。
太ももが少し太目で、裾にかけて細くなっているテーパードシルエットを選べば間違いないですね。
色で選ぶ
カーゴパンツと言えばオリーブの色感が一般的ですよね。
カーキと言われることもありますが、ファッション業界のなかではカーキは少しブラウン系の色を表す事が多いです。
オリーブと言えば、少し深めの色合いを想像できる色感です。
実際に、カーゴパンツと言えばオリーブカラーが一般的です。
オリーブ一択と言っても過言では無いほど間違いない色ですね。
より大人っぽい着こなしをするには、キレイ目スタイルに重きを置くことが基本です。
カジュアルな中でも、少しカジュアルを軽減できる色はブラックを選べば良いですね。
その他一般的なベージュやブルー等もありますが、本当の作業着に見える為ファッション上級者でなければ避ける方が無難です。
気軽に楽しむならベイカーパンツも視野に入れる
カーゴパンツと言えば、両サイドに大きなポケットが付いているボトムスを思い浮かべる人が多いですよね。
ミリタリーパンツの代表格は勿論、多くの人が思い浮かべる大きなポケットが両サイドについているカーゴパンツです。
しかし、その大きなポケットが少しカジュアル見えする所以でもあります。
実は、ミリタリーパンツには様々な種類があります。
代表的なカーゴパンツでも細かく言えば数種類のカーゴパンツが存在します。
『ミリタリーパンツを履きたいけどカーゴパンツを履きこなす自信がないな…』という人もいますよね。
そんな人に重宝するのが『ベイカーパンツ』です。
別名ファティーグパンツとも言われますが、カーゴパンツよりも合わせやすいシンプルさが魅力です。
ポイント
『ベイカー』という名前の通り、パン屋の作業着から生まれたという説もありますが、米軍の作業用のパンツから生まれたアイテムですね。
アパレルに詳しい人なら、主に軍用の作業着に使われていたミリタリーの分類で捉えられることがメインです。
フロントに張り付けのポケットが付いたデザインで、バックポケットが蓋つきのフラップポケットになっています。
ミリタリー由来のれっきとしたボトムスでありながら、シンプルで少しデザイン性のある大人の男性に合わせやすい名作ですね。
ミリタリー由来の定番おすすめブランド4選
では、カーゴパンツで長く使えるブランドは何があるのか気になる所でしょう。
特に、こだわりのカーゴパンツスタイルにはミリタリー由来の実績のあるブランドを選びたいですね。
ミリタリー由来のファッションアイテムで定評のある長く使える愛用ブランドを紹介します。
MA-1で人気のタウンユースでもハマり易い『アルファインダストリーズ 』
MA-1と言えば『アルファインダストリーズ』を思い浮かべる人が多い程、認知度の高いミリタリーブランドですね。
しかし、MA-1だけでなく、本格的なミリタリーアイテムの豊富な商品ラインナップが特徴です。
1959年アメリカテネシー州にて設立し、軍用ジャケットを4千万着以上も生産した豊富な実績を持つミリタリーアウターの第一人者としてとらえる人も多い老舗ブランドです。
pick up
『アルファインダストリーズ TB1057 B.D.Uカーゴパンツ』
米国軍の戦闘服として採用されたBattle Dress Uniformの頭文字をとったカーゴパンツを基に作られています。
近年トレンドのワイドシルエットが特徴です。
裾の紐を絞るかロールアップで足首を出すと、野暮ったくないおしゃれなカーゴパンツスタイルを楽しめます。
歴史的背景もしっかりしている老舗ブランドでありながら、ファッションミリタリーとしておしゃれを楽しみたい人に選ばれます。
日常の手軽なレプリカブランド『HOUSTON(ヒューストン)』
HOUSTON(ヒューストン)は、1972年、日本の埼玉で設立された老舗のミリタリーブランドです。
1947年に創業した前身となる牧野商会では、米軍基地からの払い下げされたミリタリーウェアをリペアして販売していました。
1960年、縫製設備を整えて防寒着や作業着の生産を開始。
1972年に、HOUSTON(ヒューストン)が誕生し、ミリタリーのウェアのレプリカブランドとして認知度を拡大。
日本ではじめてオリジナルのフライトジャケットを作ったブランドとして知られ、某有名刑事ドラマ(踊る大捜査戦)の主人公(青島)が着ていたモッズコートはHOUSTON(ヒューストン)が衣装提供したモノとしても認知度が高ですね。
pick up
『HOUSTON(ヒューストン) 1853 RIPSTOP BDU PANTS』
カーゴパンツと言えば、この形を思い浮かべる人も多い定番のミリタリーパンツです。
リップストップという、引き裂きや耐久性の高さを上げるために織り込まれたミリタリーやアウトドア製品に使われる特徴的な格子状の凹凸のある生地感がポイント。
薄くて軽くて丈夫と言う使い易さが嬉しいですね。
裾の絞りヒモにウエストのサイズ調節をする為のアジャスターにミリタリーボタン、ヒップバックのフラップポケットに膝の大きなカーゴポケット等、王道のカーゴパンツらしさが魅力。
少しルーズ目のシルエットなので、ロールアップでくるぶしを出すくらいにしても、程よいトラッドっぽく上品にも着られます。
裾を絞るとミリタリーっぽく演出でき、カジュアルに伸ばして履くも良しの使い勝手も重宝します。
定番のミリタリーカーゴを手軽に楽しみたいカジュアルコーデから、少しこだわりのあるアメカジスタイルに、キレイ目スタイルのミリタリーミックスにも選ばれます。
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知る人ぞ知る老舗のアメリカンミリタリー『PROPPER(プロッパー)』
『PROPPER(プロッパー)』は、1967年アメリカミズーリ州で創業した老舗ブランドです。
実際に、アメリカ陸軍や警察官に戦闘服や制服として採用されていました。
近年では、ミリタリー特有の機能性や耐久性の高さを誇るファッションアイテムとして認知度を広げています。
ファッション雑誌や大手のセレクトショップでも取り扱いがある人気のブランドですね。
pick up
『PROPPER(プロッパー) F5201 BDU TROUSER』
米国軍の戦闘服として採用されたBattle Dress Uniformの頭文字をとったカーゴパンツを基に作られています。
程良く緩めのシルエットに、サイズ調整のアジャスターや裾を絞るドローコード等も付いた履き易さが特徴的です。
リップストップという引き裂きに強い生地は、格子状に織り柄が入ったミリタリー由来の表情が嬉しいポイントですね。
知名度はあまり高くないけど本格派ミリタリーをファッションに取り入れたい人に選ばれます。
こだわりのヴィンテージミリタリー『Nigel Cabourn(ナイジェルケーボン)』
『Nigel Cabourn(ナイジェルケーボン)』は、1981年にヴィンテージコレクターのナイジェルケーボン氏によって立ち上げられたブランドです。
ヴィンテージのミリタリーコレクションを基に現代に合うファッションとしてアップデートされたミリタリーウェアが特徴です。
ヴィンテージミリタリーの素材とディティールを踏襲したこだわりのファッションブランドですね。
pick up
『Nigel Cabourn(ナイジェルケーボン) ARMY CARGO PANTS』
米軍の43年に作られたM-43と51年に作られたM-51、英国陸軍のヴィンテージの別種のカーゴパンツをミックスして作られた定番のカーゴパンツです。
他のカーゴパンツにはないデザインと、程良く緩めのシルエットにサイズ調整のアジャスターや裾を絞るドローコード等も付いた履き易さが特徴的です。
コットン100%のしっかりとした生地感は使い込むほどにアジが出る経年変化を楽しめるこだわりの逸品ですね。
ヴィンテージ感漂う本物志向のデザイン性を好むこだわりのある人に選ばれます。
まとめ:大人のカーゴパンツスタイルはキレイ目の着こなしが鍵
と、いうことでまとめると
ポイント
- 『カーゴパンツがダサいと思われるのはカジュアルすぎる着こなし』
- 『大人っぽく着こなす為の基本はキレイ目要素を意識する』
最後まで読んでいただきありがとうございます。
『カーゴパンツ』の選び方が分かっていただけると幸いです。
少しでもあなたのファッションライフのきっかけになれる事を切に願っています。
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